エジェクタピンとコアピンの豆知識

【図解】ダイカスト金型における「エジェクタピンの役割」
ダイカスト製品の製造に欠かせない「エジェクタピン」。今回は、金型内部で鋳造品(製品)を確実に取り出すための重要部品であるエジェクタピンの基本について、図を交えながらわかりやすくご紹介します。
エジェクタピンとは?
エジェクタピンとは、ダイカスト金型からダイカスト製品を取り出すためのピンを指します。金型が開いたあと、製品が可動型側に残ると、背後からこのピンが前進して製品を押し出します。製品を正しく、そして傷つけずに取り出すためには、適切な位置とタイミングで動作するエジェクタピンの存在が不可欠です。
実際の動作イメージ
以下の図を使って、エジェクタピンの動作の流れをご説明します。
型締め・注湯工程
金型が閉じられ、溶湯が金型内に高速で注入されます。この段階ではエジェクタピンは収納されており、成形空間に干渉しません。
射出・凝固工程
溶湯が型内の隅々まで行き渡り、製品形状が形成されます。冷却が進むことで溶湯が凝固し、製品が完成します。
型開き・押出し工程
金型が開き、可動側に残った製品をエジェクタピンが背後から押し出します。この動作によって製品が金型から外れ、取り出されます。
なぜエジェクタピンが重要なのか?
製品を確実に取り出す
自動化ラインでも安定した排出が可能になります。
変形や傷を防ぐ
適切な配置と本数で設計することで、製品へのダメージを最小限に抑えます。
サイクルタイム短縮に貢献
製品が型に張り付くと、取り出しに時間がかかります。ピンによってスムーズな取り出しが可能になります。
エジェクタピン設計のポイント
エジェクタピンの配置・径・本数は、製品の形状や材質、収縮挙動を考慮して設計されます。
また、繰り返し動作による摩耗や焼付きを防ぐため、表面処理や潤滑対策も不可欠です。
まとめ
エジェクタピンは、ダイカスト工程において見落とされがちな存在ですが、品質・生産効率・金型寿命に大きな影響を与える、非常に重要な要素です。当社では、使用条件に合わせたエジェクタピンをご提案しております。エジェクタピンに関するご相談・お見積りなど、お気軽にお問い合わせください。