エジェクタピンとコアピンの豆知識

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細物旋盤加工で同軸度:0.01mmを実現するためのポイント

物旋盤加工は、細く長い素材を高精度に削る技術です。特に同軸度(軸の中心がどれだけ一直線に揃っているか)の精度が求められる場合、0.01mmという高い目標を達成するためには、細心の注意と熟練した技術が不可欠です。この記事では、細物旋盤加工において同軸度0.01mmを実現するための重要なポイントをご紹介します。

同軸度とは?

同軸度とは、複数の円筒形部品や穴の中心軸がどれだけ一致しているかを示す幾何公差の一種です。簡単に言えば、複数の円筒の中心がどれだけ一直線上に並んでいるかを表す指標です。同軸度の精度が悪いと、部品の回転が不安定になったり、部品同士の嵌め合いが悪くなったりするため、特に回転機器の部品加工において非常に重要な要素となります。

同軸度:0.01mmの細物旋盤加工を実現するためのポイント

同軸度0.01mmという高精度を実現するには、以下の3つのポイントを押さえることが不可欠です。

1. 高剛性の機械と治具の使用

同軸度の精度は、加工中の微細な振動やたわみの影響を非常に受けやすいです。そのため、高い剛性を持つ旋盤本体と治具(ワークを固定する工具)を使用することが不可欠です。

  • 旋盤本体: 主軸やベッドに高い剛性がある旋盤を選定することで、切削抵抗による機械全体のたわみを最小限に抑えられます。これにより、安定した加工が可能になります。
  • 治具: ワークをしっかりと固定するチャックやコレットチャックも重要です。特に細物加工では、ワークの掴み代を最適化し、クランプ圧力を均一にかけることで、加工中のズレや振動を防ぎます。必要に応じて、ワークの長さに応じて振れ止めを使用することも効果的です。

2. 適正な芯高に合わせる

芯高とは、加工する素材の中心位置を指し、この位置が適切でないと加工精度が大きく損なわれます。芯高がずれていると、バイト(切削工具)の刃先とワークの中心にズレが生じ、切削抵抗が不均一にかかります。この偏った力が、ワークのたわみや振動を引き起こし、結果として加工後の同軸度に誤差が発生する原因となります。

したがって、加工前に必ず芯高を正確に合わせ、バイトの刃先がワークの中心を常に一定の位置で切削できるようにすることが大切です。これにより、旋盤加工時に素材が安定し、精度の高い同軸度を実現することが可能となります。

3. 複数の工程に分ける

同軸度0.01mmという高い精度を達成するためには、1回の工程で仕上げるのではなく、荒加工と仕上げ加工の2段階に分けることが効果的です。

  • 荒加工: まずは、素材全体を大まかに削り、余分な材料を取り除きます。この段階では、切削抵抗が大きくかかるため、同軸度はある程度ずれても問題ありません。
  • 仕上げ加工: 荒加工後、ワークを反転させたり、治具を変更したりして、再度センタリングを行い、高精度の仕上げ加工を行います。この際、切込み量を極めて小さくし、精密な切削を行うことで、同軸度の誤差を最小限に抑えられます。

この多段階加工は、加工中の応力や熱による変形を分散させる効果もあり、最終的な同軸度精度を大きく向上させます。

まとめ

いかがでしょうか。今回は、同軸度:0.01mmの細物旋盤加工を実現するためのポイントをご紹介しました。秦精工では、自動車・医療・産機・エネルギー業界の小径ピン・シャフト等の加工を行なってまいりました。中でも特に、単品・試作・小ロットの数量を得意としています。ピン・シャフト等の製作は量産品でないと対応してくれないケースも多々あり、「小ロットなので、どこに依頼していいか分からない…」とお困りの方も多いのではないでしょうか。そんな時こそ、是非当社にご相談ください。柔軟な社内体制により、お客様のお困りごとを解決します。

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