エジェクタピンとコアピンの豆知識

エジェクタピンとコアピンの豆知識

エジェクタピン(押出しピン)とコアピン(鋳抜きピン)の違いとは?

皆様はエジェクタピン(押出しピン)とコアピン(鋳抜きピン)の違いはご存知でしょうか。混同されることもあるこれらの製品には、明確な違いがあります。今回は、このエジェクタピンとコアピンの違いについて詳しく説明します。

エジェクタピン(押出しピン)とは?

エジェクタピン(押出しピン)とは、ダイカスト金型からダイカスト鋳造品を取り出すためのピンを指します。型締め注湯後、エジェクタピンの軸端面部が、ダイカスト鋳造品に接触します。その後、型開き押出し工程にて、押出板が押されることでエジェクタピンが摺動し、ダイカスト鋳造品を金型から取り外すサポートの役割を果たします。



一般的に、エジェクタピンは規格でサイズが決まっています。また、表面処理としては基本的に窒化処理が用いられ、高コストな表面処理であるCVD、PVD処理等は用いられません。そのため、コアピンと比較すると、エジェクタピンの価格は安価であるといえます。

ちなみに、エジェクタピンに使用される主な材質は、SKD61、DAC(合金工具鋼)、SKH51(高速度工具鋼)等が挙げられます。

エジェクタピン(押出しピン)に求められる特性とは?

エジェクタピンが折損してしまうと、ダイカスト鋳造の生産性低下・品質低下、コスト増加に直結します。そのため、エジェクタピンには、ダイカスト鋳造時の熱・応力・負荷に耐え得る優れた靭性、熱間強度が求められます。また、これらの特性に加えて、折損をはじめとしたあらゆる不具合を防ぐために、耐摩耗性、耐溶損性、真直度、円筒度が求められます。

エジェクタピンはどのような用途で使用される製品であるかお分かり頂けましたでしょうか。下記記事にて、折損しづらいエジェクタピンを選定するポイントをまとめておりますので、是非ご確認下さい。

折損しづらいエジェクタピンを選定するポイント ≫

コアピン(鋳抜きピン)とは?

コアピンとは、ダイカスト鋳造品の下穴やボス等を形成する際に使用されるピンを指します。コアピンはダイカストキャビティ内に設置され、型締め注湯後も常に高温の溶湯に接触します。



エジェクタピンとは異なり、コアピンは各製品により形状が異なります。また、表面処理としては、条件に応じて、PVD、CVD、窒化処理等が用いられます。そのため、エジェクタピンと比較すると、コアピンの価格は高価といえます。

ちなみに、コアピンに使用される材質としては、SKD61、DAC(合金工具鋼)、YXR33(高靭性高速度鋼)、HAP40(粉末ハイス)、タングステン合金、モリブデン合金等が挙げられます。

コアピンに求められる特性とは?

エジェクタピンと同様に、コアピンも折損してしまうと、ダイカスト鋳造の生産性の著しい低下につながります。コアピンの主な折損・破損要因としては、下記の3点が挙げられます。

  1. 高温環境による強度低下
  2. 外力・応力による変形
  3. 焼付き・溶損の進行

こういった要因による折損・破損を防止するため、コアピンには靭性、高温強度、耐焼き付き性、耐溶損性、耐ヒートチェック性、高度な寸法精度・表面粗さ等が求められます。

もちろん、上記のような特性を得るためには、製作段階からあらゆる工夫を施す必要があります。下記記事にて、コアピンにおける折損対策を詳しくご紹介しています。少しでも興味を持った方は、是非下記よりご確認ください。

耐久性の高いコアピンにより、ダイカスト鋳造の生産性を向上 ≫

エジェクタピン・コアピンのことなら秦精工にお任せください!

いかがでしたでしょうか。当記事では、エジェクタピンとコアピンの違いについてご紹介しました。

秦精工では、耐久性の高いエジェクタピン、コアピンの製作を得意としております。素材にSKD61よりも高靭性な株式会社プロテリアル製DACⓇを採用することで、ピン使用中の折損リスクの低減を実現します。

さらに、当社では、エジェクタピンをΦ2からΦ20、最長1200Lまで幅広くラインナップしています。標準品は当社内で保管しており、最短で当日出荷にも対応します。また、お客様が重要視する項目に合わせ、形状、材質、熱処理、表面処理変更等のカスタマイズに対応することが可能です。

エジェクタピン・コアピンのことなら、お気軽に秦精工にご相談ください。


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