エジェクタピンとコアピンの豆知識

SKD61(ダイス鋼)の細物旋盤・小径旋盤加工におけるポイント
SKD61は、優れた高温強度と靭性を兼ね備えた熱間ダイス鋼であり、各種金型部品など、幅広い分野で使用されています。しかし、その高い硬度と靭性ゆえに、特に細物・小径部品の旋盤加工においては、いくつかの特有の課題と対策が求められます。本記事では、SKD61の細物・小径旋盤加工において、高精度かつ効率的な加工を実現するための重要なポイントを解説します。
SKD61(ダイス鋼)の細物・小径旋盤加工における課題
SKD61の細物・小径部品の旋盤加工では、以下のような課題が顕在化しやすくなります。
ビビリの発生
細物加工では、切削時の振動(ビビリ)が発生しやすく、表面粗さの悪化や寸法精度の低下を招く恐れがあります。
クランプの難しさ
細く小さなワークを安定してクランプすることが難しく、加工中の振動やずれの原因となります。
SKD61(ダイス鋼)の細物旋盤・小径旋盤加工におけるポイント
これらの課題を克服し、SKD61の細物・小径旋盤加工で高精度を実現するためには、以下のポイントが重要となります。
加工条件(切削速度、送り、切り込み量)を最適化する
SKD61は耐摩耗性に優れる一方、被削性はやや低い傾向にあります。そのため、切削速度は比較的低めに設定し、工具の摩耗を抑制することが重要です。具体的には、材質や工具の種類にもよりますが、一般的に 50∼100m/min 程度を目安に開始し、加工面や工具の状態を見ながら微調整します。送りは、細物・小径加工においては過大な負荷を避けるため、0.05∼0.15mm/rev 程度から始め、びびりや加工精度を確認しながら調整します。切り込み量は、剛性の低い細物・小径ワークでは特に小さく設定し、0.1∼0.5mm 程度を目安に、複数回に分けて仕上げることを推奨します。適切な加工条件は、工具寿命の向上と高精度な加工の両立に不可欠です。
細物・小径旋盤加工に適した高精度な工具を選定する
細物・小径旋盤加工では、わずかな工具の振れや摩耗が加工精度に大きく影響します。そのため、シャンク径が太く、剛性の高いバイトホルダを選定することが重要です。また、チップは、SKD61 のような硬質な材料に適した超硬合金などの高硬度材種を選び、切れ味の良いシャープエッジのものが推奨されます。工具の突き出し量を最小限に抑えることも、びびりの抑制と精度向上に繋がります。さらに、クーラントを効果的に供給できるような工具ホルダやチップ形状を選択することで、切削熱によるワークや工具の変形を抑制し、安定した加工を実現できます。
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